「妊娠して、葉酸は取っておいた方がいいっていわれたけど、あんまり気にしてないんだよね」
「葉酸は取らなかったら、赤ちゃんにも影響あるのかな」
そんな風に考える人もいるでしょう。
そこで今回は、妊娠初期で葉酸を飲まなかったらどうなるかを解説します。
ママだけでなく、赤ちゃんにも悪い影響があるのかどうかも紹介していきますので、妊娠して葉酸を摂取すべきかどうか迷っている人はぜひ参考にしてください。
妊娠初期に葉酸を飲まなかったら?赤ちゃんに悪影響はある?
妊娠初期に葉酸を飲まなかったらどうなってしまうのでしょうか。
胎児や赤ちゃんにも影響が出てしまうのでしょうか。
ここからは、葉酸が不足してしまうとどのようなリスクがあるのかを解説していきます。
葉酸が不足すると貧血になりやすくなる
葉酸は赤血球の成熟に必要な栄養素であるため、葉酸欠乏症を発症すると赤血球の数が減ってしまい、貧血を引き起こします。
また、血液中には成熟していない巨赤芽球と呼ばれる細胞が増えるため、葉酸の不足によって引き起こされる貧血を巨赤芽球性貧血と呼びます。
症状としては、息切れ、めまい、ふらつき、動悸、だるさなどの一般的な貧血症状が現れます。
神経に障害が出ることがある
葉酸が不足すると体内ではホモシステインと呼ばれる物質がたまるようになり、気分の落ち込み、認知機能の低下、幻覚・妄想などの精神症状を引き起こすことも知られています。
特に、妊娠中の女性は出産に対する不安や、つわりなどで心身ともにプレッシャーがかかります。
この状態で葉酸が不足することで心身の不調に拍車をかけてしまう可能性が高くなるのです。
消化器の機能への影響も懸念される
また、葉酸は正常な細胞分裂を促す栄養素です。
不足すると舌が荒れ、舌のただれや味覚障害を引き起こします。
また、細胞の新陳代謝がうまく行かないことで、胃壁の荒れなどを引き起こし、胃腸障害などの原因にもなりえるため、注意しなければなりません。
皮膚に異常が出る人も
葉酸は細胞分裂を促すため、皮膚の新陳代謝にも関わる栄養素です。
葉酸が不足すると、皮膚の新陳代謝機能も働きにくくなるため、肌荒れなどの皮膚症状が出てきやすくなります。
動脈硬化のリスクが高まる
体内の葉酸が不足してくると、ホモシステインが分解されず、血の中に多くなってしまうことはすでに述べました。
過剰なホモシステインは、神経症状や精神症状を引き起こすだけではありません。
血液中で過剰になったホモシステインが、悪玉コレステロールとくっつき、血液ドロドロの原因となり、それが血管にへばりついて、動脈硬化を引き起こす可能性があります。
口内炎ができやすくなる
葉酸不足による細胞分裂がうまくいかなくなることで、口内炎ができやすくなります。
リウマチの治療薬を飲む際、薬の副作用で葉酸不足になることが指摘されており、その際の症状でよく口内炎が起こることはご存知でしょうか。
そのため、リウマチの患者さんにはよく葉酸も合わせて処方されることが多いです。
赤ちゃんの先天異常のリスクが高まる
葉酸は胎児の成長と細胞分裂に関与しています。
そのため、葉酸が不足してしまうと、胎児の成長が遅れる可能性があります。
葉酸不足は、胎児の神経管の正常な発達を妨げます。
神経管障害(脊髄脊椎膜膨出症や無脳症など)を引き起こしてしまう可能性があります。
口唇口蓋裂や心臓欠損症などの他の先天性欠損症のリスクを増加させる可能性があるので、葉酸はしっかりと摂取しておく必要があるのではないでしょうか。
妊娠初期に葉酸を摂取するメリットは?葉酸の働きを解説
ここまでは、葉酸が不足することによって引き起こされる症状を紹介してきました。
ここからは、妊娠初期に葉酸を摂取するメリットを葉酸の働きを交えながら解説していきます。
妊活中や妊娠中の方は、ぜひ参考にしてください。
血液を作る際、大切な役割を果たしている
葉酸は血液を作る際、大切な役割を果たしています。
葉酸は赤血球の生成に関与している栄養素です。
赤血球は、血液中の酸素を運搬する働きがあります。
赤血球が不足すると、酸素や栄養分を運搬することができなくなるため、貧血症状が起こってしまいます。
妊娠すると体に必要な葉酸が増えるため、貧血になりやすくなります。
葉酸が不足してしまうと妊娠性貧血のリスクが高まる可能性があります。
脳の働きの低下を防ぐ
葉酸は細胞分裂の働きを活性化する働きがあり、脳や神経の細胞分裂にも関わっています。
葉酸不足によりその働きが弱まることで、脳の働きの低下が引き起こされます。
また、葉酸が不足すると体内ではホモシステインと呼ばれる物質がたまるようになり、気分の落ち込み、認知機能の低下、幻覚・妄想などの精神症状も現れてしまうこともあります。
特に妊娠中は、つわりなどの体の不調もあり、このような精神・神経症状を増幅する恐れがあるので注意が必要です。
細胞を作る際助けとなる
葉酸は、細胞分裂や繁殖に重要な役割を持つ核酸(DNA、RNA)の成分となるプリン、ピリミジンの合成を促進する働きがあります。
つまり、葉酸は細胞分裂や増殖に重要な役割を持っているのです。
葉酸が欠乏すると、成熟中の細胞がまず障害を受けるため、上述したような症状の原因となります。
妊娠すると、母体はもちろんですが、胎児にも葉酸が必要となります。
そのため、葉酸は通常時よりも必要量が増えますので、意識的に葉酸を摂取していく必要があるのです。
赤ちゃんの発達異常のリスクを下げる
葉酸不足は、胎児の先天的障害の危険性を高めるということはすでに述べました。
無事出産した後も、赤ちゃんの成長に葉酸は必要不可欠です。
葉酸が細胞分裂に重要な役割を果たしていることはすでにお伝えしました。
それは赤ちゃんにとっても同じです。
葉酸が不足してしまうと、赤ちゃんの発達異常につながってしまうことも考えられます。
葉酸は赤ちゃんの成長にも関わる重要な栄養素なので、赤ちゃんもしっかり摂取する必要があるのです。
赤ちゃんは成長に必要な栄養補給を基本は母乳に頼っています。
そのため、母乳中に十分な葉酸を含ませるためにも、母親がしっかりと葉酸を摂取しておく必要があるのです。
葉酸はどれくらい・どのくらいの期間摂取すべき?
ここまでで、葉酸を摂取すべきであることは分かっていただいたと思います。
それでは、葉酸は実際にはどれくらい・どのくらいの期間を摂取すべきなのでしょうか。
ここからは、葉酸の推奨摂取量や、時期的にはいつまで意識的に摂取すべきかを深掘りしていきます。
葉酸について詳しく知っておきたい方もそうでない人も、ぜひ参考にしてください。
葉酸はどれくらい摂取すべき?
1日の葉酸摂取の推奨量や必要量、上限量をまとめました。
状況 | 年齢 | 葉酸の1日推奨 摂取量 | 葉酸の推定平均 必要量 | 葉酸の1日摂取 上限量 |
成人男女(通常時) | 18~29歳 | 240μg | 200μg | 900μg |
成人男女(通常時) | 30~49歳 | 240μg | 200μg | 1,000μg |
成人男女(通常時) | 50~64歳 | 240μg | 200μg | 1,000μg |
成人男女(通常時) | 65~74歳 | 240μg | 200μg | 900μg |
妊活中 | 240μg+400μg | – | – | |
妊娠初期 | 240μg+400μg | – | – | |
妊娠中期~後期 | 240μg+480μg | – | – | |
授乳期 | 240μg+340μg | – | – |
上の表を見てわかるように、妊活中や妊娠期間中、授乳期は葉酸を意識的に摂取する必要があります。
そのため、効果的に葉酸を摂取できるサプリメントを上手に使う必要があるのです。
例えば、妊娠中は葉酸を240μg+400μg必要です。
葉酸を摂取すべき期間は?
葉酸は不足すると貧血などを引き起こすため、普段から摂取すべきです。
ただし、普段の必要量であれば食事からでも十分可能な量です。
妊活中や妊娠期、授乳期は意識的に摂取量を増やす必要があります。
そのため、パートナーと話し合い妊娠に向けて活動していくときに葉酸サプリで摂取を始めるとよいでしょう。
そもそも、妊娠に気づくのは妊娠後5〜6週であることが多いです。
妊娠してから葉酸を取るよりも、妊娠に向けて活動していくと決めた時から摂取しておいた方がよいのではないでしょうか。
足りない葉酸を補うためには?葉酸サプリがおすすめ!
ここまでで、葉酸は絶対に必要である事が分かりました。
では、葉酸はどのように摂取していけばよいでしょうか。
葉酸を摂取する方法は食品や葉酸サプリがあります。
ここからは、葉酸を摂取する方法について解説していきます。
食品で補う
葉酸を摂取する際、まず意識したいのが普段の食生活で摂取するということです。
普段の食材で摂取できる葉酸の量について表にしました。
食品名 | 目安量 | 分量(g) | 葉酸 (μg) | 食品名 | 目安量 | 分量(g) | 葉酸 (μg) | |
からし菜 | 1本 | 50 | 155 | いちご | 中5粒 | 75 | 68 | |
みずかけ菜 | 60 | 144 | パパイヤ(完熟) | 1/2個 | 130 | 57 | ||
なば菜 | 2本 | 40 | 136 | オレンジ (ネーブル) | 中1個 | 130 | 44 | |
ほうれん草 | 2株 | 60 | 126 | 夏みかん | 大1個 | 160 | 40 | |
グリーンアスパラガス | 3本 | 60 | 114 | |||||
しゅんぎく | 3株 | 60 | 114 | さつまいも | 中1/2本 | 100 | 49 | |
ブロッコリー | 2房 | 50 | 105 | |||||
たか菜 | 2株 | 50 | 90 | ささげ(乾) | 1/5カップ | 30 | 90 | |
日本かぼちゃ | 4cm 角2切 | 60 | 48 | 大豆(乾) | 1/5カップ | 26 | 60 | |
チンゲン菜 | 1株 | 70 | 46 | そらまめ(乾) | 1/5カップ | 22 | 57 | |
調製豆乳 | 1カップ | 200 | 62 | |||||
ぜんまい | 5本 | 50 | 105 | 納豆 | 中1パック | 50 | 60 | |
わらび | 5本 | 75 | 98 | |||||
ふきのとう | 2個 | 40 | 64 | くり | 大3個 | 60 | 44 | |
カリフラワー | 3房 | 60 | 56 | |||||
大豆もやし | 1カップ | 60 | 51 | 鶏レバー※ | 50 | 650 | ||
白菜 | 中葉1枚 | 80 | 49 | 牛レバー※ | 50 | 500 | ||
くわい | 大1個 | 30 | 42 | 豚レバー※ | 50 | 405 | ||
パッションフルーツ (果汁) | 1カップ | 200 | 172 | あまのり(焼) | 1袋(5枚入) | 2 | 38 | |
アボカド | 1/2個 | 100 | 84 | |||||
マンゴー | 1/2個 | 90 | 76 | ※各種レバーについてはビタミンA過剰の心配があるので注意が必要である。 | ||||
五訂日本食品標準成分表(科学技術庁資源調査会編)を用い作成 |
葉酸を含む食材はいろいろありますが、妊娠時は葉酸は240μg+400μgで計640μg必要になります。
これを全て食事で取ることは難しいですし、そもそもつわり等がひどく食欲がない場合などはより大変になるのではないでしょうか。
また、レバー類は葉酸以外にビタミンAを多く含みます。
ビタミンAの過剰摂取は胎児奇形の危険性がありますので、妊娠初期は特にレバー類の摂取は控えるようにしましょう。
葉酸サプリで補う
普段の食事で妊娠時に必要な葉酸すべてを摂取するのは難しいことがわかりました。
では、葉酸はどのように補えばよいのでしょうか。
ここで注目したいのが、葉酸サプリです。
葉酸サプリは、妊娠時に必要な葉酸を補給できるように設計されていますので普段の食事と合わせて取るとよいのではないでしょうか。
葉酸サプリを活用するメリット
葉酸サプリには、葉酸を摂取する以外にもいろいろなメリットがあります。
葉酸を適切な量摂取できる
葉酸には大きく分けて、天然葉酸と合成葉酸の2種類の葉酸があります。
天然葉酸とは、一般的に⾷材に含まれる葉酸のことを指し、「ポリグルタミン酸型葉酸」とも呼ばれています。
⾷材に含まれる葉酸のため、「⾷事性葉酸」と呼ばれており、調理などによる熱で分解されやすい(葉酸は⽔溶性ビタミン)という特徴もあります。
一方で、合成葉酸とは主にサプリメントなどに含まれている葉酸のことで、「モノグルタミン酸型葉酸」と呼ばれています。
分解されやすい天然葉酸と違って、合成葉酸は体内に取り込みやすく、摂取した量の約85%を体の中で利用できるといわれています。
葉酸サプリの葉酸は、基本的に全て合成葉酸なので、効率的に体内に取り込まれるのです。
また、葉酸サプリは体に必要な葉酸が含まれているものが多いので、必要量を手軽に摂取することができるのも魅力です。
葉酸以外の栄養素も摂れる
葉酸サプリは妊活中や妊娠中に必要な栄養素を摂ることができます。
例えば、人気の葉酸サプリ、「ミタス(mitas)葉酸サプリ」に含まれている成分量と、厚生労働省が定める妊娠時の推奨量、そして30代女性の平均摂取量について表にしてみました。
成分名 | ミタス葉酸サプリ | 推奨量 (厚生労働省 目安) | 30代女性 平均 (食事摂取量) |
葉酸 | 400μg | 400μg | 253.1μg |
ヘム鉄 | 5mg | 11.0mg | 6.8mg |
ビタミンB1 | 1.4mg | 1.3mg | 0.8mg |
ビタミンB2 | 1.5mg | 1.5mg | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.6mg | 1.4mg | 0.9mg |
ビタミンB12 | 2.9μg | 2.8μg | 4.1μg |
ビタミンC | 50mg | 110.0mg | 63.2mg |
ビタミンD | 25μg | 7.0μg | 5.6μg |
ビタミンE | 1.0mg | 6.5mg | 6.2mg |
カルシウム | 50mg | 650.0mg | 436.4mg |
マグネシウム | 144mg | 330.0mg | 201.7mg |
亜鉛 | 3mg | 10.0mg | 7.4mg |
パントテン酸 | 2.2mg | 5.0mg | 4.9mg |
ナイアシン | 1mg | 12.0mg | 11.4mg |
乳酸菌 | 16.5mg | – | – |
普段の食事と合わせてミタス葉酸サプリを摂取することで、妊活期及び妊娠中の女性に推奨されている栄養素を100%以上摂取することができることがわかります。
他の人気葉酸サプリでも、葉酸以外に必要な栄養素をしっかりと補給することができるため、葉酸サプリは妊活や妊娠中の女性におすすめです。
医師が監修しているなど、安全面に配慮されている
ミタス葉酸サプリに限らず、マカナ(makana)やベルタ(BELTA)葉酸サプリなどの人気のある葉酸サプリは、安全性もしっかりしています。
人気のある葉酸サプリは、着色料、香料発色剤、香料、保存料、pH調整剤、膨張剤、漂白剤、甘味料、防かび剤、苦味料、増粘安定剤、光沢剤、酸味料などの添加物を使わず、無味無臭なので、つわりなどで食事にデリケートになりやすい妊娠中でも服用しやすいように工夫されています。
また、多くの人気葉酸サプリは、「GMP認定工場」の承認を受けた国内工場で生産されています。
GMPとは、、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、 出荷まで全ての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。
GMPは、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づいて、民間の団体である第三者機関による審査・査察を経て認定されます。
厚生労働省の策定したガイドラインを順守する必要があり、認定は第三者機関により客観的に行われるため、GMP認定は品質の信頼性を担保してくれるのです。
このように、多くの葉酸サプリは安全性にこだわって作られているので、安心して継続できるサプリではないでしょうか。
また、多くの葉酸サプリは、実際に産婦人科医などの専門家が監修しているので安心して服用することができるのです。
男性にも葉酸サプリは効果がある
葉酸サプリは、妊活中の女性だけでなく男性にもおすすめです。
葉酸サプリメントは妊娠する女性が摂取するものというイメージが強いですが、本来妊活は夫婦で一緒に取り組むものではないでしょうか。
従来、不妊治療は女性側だけにフォーカスされていましたが、近年では男性に原因があることも多くなっています。
妊活を一緒に頑張るためにも男性もサプリメントをしっかり摂取して、栄養補給をすることが大切です。
成人男性の多くは野菜不足といわれています。
野菜不足は、体に必要な栄養素の不足を引き起こすため、妊活に必要なコンディショニングがうまくいきません。
その点、葉酸サプリは葉酸だけでなく体に必要なビタミンやミネラルもふんだんに盛り込まれているため、男性にとってもおすすめのサプリメントといえるのではないでしょうか。
例えば、人気の葉酸サプリシリーズ「ミタス」には妊活中の男性向けのサプリ「ミタス(mitas)for men」も存在します。
「ミタス(mitas)for men」は、男性妊活で不足しがちな亜鉛や ビタミン C・E、コエンザイムQ10 が配合されています。
また、亜鉛やマカ、トンカットアリなどの精活力のサポート成分もしっかりと配合されていますので、日々の妊活にも良い影響を及ぼすのではないでしょうか。
サプリはそもそも葉酸を摂取しやすい
葉酸サプリを選ぶうえで、飲みやすさは非常に重要です。
妊娠中はつわりが起こりやすく、匂いにも敏感になり、食欲がなくなることもあるでしょう。
葉酸サプリは毎日飲み続けることができるように無味無臭のものが多く、形状は飲みやすいように工夫されています。
とはいえ、妊娠中やつわりの時期は感覚が敏感になり、錠剤の匂いや大きさ、数の多さで吐き気を催す場合も考えておくべきです。
商品の公式ページ以外に、実際にサプリメントを利用している人の口コミを参考にするのもよいのではないでしょうか。
また、多くの葉酸サプリメーカーでは、初回は価格を低く設定していることが多いです。
まずは初回キャンペーンで購入し、実際に自分に合う葉酸サプリを試してみてもよいのではないでしょうか。
葉酸は摂りすぎるとリスクがある?
ここまでは、葉酸の摂取方法について確認し、普段の食事だけでなく、葉酸サプリも活用すべきだということを説明してきました。
では、逆に葉酸を摂取しすぎるとよくないのでしょうか。
ここからは、葉酸の過剰摂取について解説していきます。
妊活中や妊娠中の方はもちろん、そうでない人も葉酸について知っておく必要があります。
ぜひ参考にしてください。
通常の食べ物で、葉酸の過剰摂取による健康障害があったという報告はありません。
また葉酸自体に毒性はなく、過剰摂取しても体外に排泄されるため、食品から摂る分には心配はないといわれています。
ただし、サプリメントなどで過剰に摂取することには注意が必要となります。
すでに葉酸必要量のところで表にして説明しましたが、葉酸は1日に摂取する「上限量」が決められています。
男女ともに1日の摂取量は18~29歳なら900µg、30歳~49歳なら1,000µgを超えないことが推奨されています。
では、上限量を超えて過剰に摂取してしまうと、どうなってしまうのでしょうか。
葉酸の過剰症としては、発熱・じんましん・かゆみ・不眠症・下痢や吐き気などの消化器系の症状などが報告されています。
亜鉛の吸収阻害を起こす可能性があったり、ビタミンB12欠乏による神経障害の発見が遅れてしまう恐れもあります。
このように、命に関わるような重大なものはとくにありませんが、日常的な過剰摂取は避けた方がよいでしょう。
妊娠中の方はさらに、過剰摂取による副作用のリスクがあるため注意が必要です。
妊娠中期以降にも葉酸を上限量を越えて1日に1000µg以上摂取し続けていると、赤ちゃんが生まれた後、将来小児ぜんそくなどのアレルギー症状を起こすリスクが高まるという報告があります。
科学的にエビデンスがはっきりと示されているわけではありませんが、過剰な葉酸摂取が原因かもしれないと考えられている以上、過度の葉酸摂取は控えるべきです。
規定量のみを摂取するようにしておきましょう。
まとめ
今回の記事では、妊娠初期で葉酸を摂取する必要があるのかを解説してきました。
妊娠時に葉酸が不足してしまうと、いろいろなリスクが高まります。
妊娠性貧血や神経、精神症状、皮膚症状、口内炎、胃腸障害などいろいろな症状が母体に出てしまうだけではありません。
胎児の成長が遅れる可能性があります。
また、葉酸不足がさらに深刻になると、胎児の神経管の正常な発達を妨げ、神経管障害(脊髄脊椎膜膨出症や無脳症など)を引き起こしてしまう可能性もあるのです。
口唇口蓋裂や心臓欠損症などの他の先天性欠損症のリスクも増加させてしまいます。
そのため、葉酸はしっかりと摂取しておく必要があるのです。
しかし、普段の食事だけで妊娠時に必要な葉酸を補給することは困難です。
葉酸サプリで、しっかりと必要な葉酸を補給すべきでしょう。
葉酸サプリは、葉酸だけでなく、ビタミン群やなど妊娠中に必要な栄養素も合わせて摂取することができます。
葉酸サプリは、女性だけでなく普段野菜不足に悩む男性にも有効です。
妊活中から夫婦で飲み始めるとよいでしょう。
葉酸は過剰に摂取すると、赤ちゃんが生まれた後、将来小児ぜんそくなどのアレルギー症状を起こすリスクが高まるという報告があるので、摂取上減量を守って必要な用量だけ摂取することを心掛けてください。