「妊娠前から葉酸を取っていれば赤ちゃんの異常を防ぐことができるって聞いたけど本当なのかな?」
「赤ちゃんのダウン症予防に葉酸は効果あるのかな」
こんな風に考える人は多いでしょう。
そこで今回は、赤ちゃんがダウン症になってしまう原因とその予防について解説します。
葉酸の効果についても説明しますので、妊活中や妊娠中の方はもちろん、これから妊活を始めようと考えている人もぜひ参考にしてください。
妊娠前から葉酸を飲めばダウン症を防げる?確率が下がるって本当?
妊娠前から積極的に葉酸を摂取することで、胎児がダウン症になるのを防ぐことはできるのでしょうか。
ここからは、葉酸と胎児の先天的異常の関連性を調べるとともに、葉酸にダウン症を防ぐ効果があるのかどうかを解説していきます。
葉酸と先天異常の関係
葉酸は胎児の成長と細胞分裂に関与しています。
妊娠6週までのごく初期に、受精卵は分裂を繰り返し、赤ちゃんの神経管という部分を形成します。
しかし細胞分裂を滞りなく進める役目のある葉酸が不足していると、神経管の形成がうまく行かず、神経管閉鎖障害が起きてしまうことがあるのです。
神経管閉鎖障害になると、脊髄脊椎膜膨出症、二分脊椎や無脳症といった状態になり、流産や産まれた子供の下半身麻痺や知的障害などが起こると言われています。
妊娠初期の段階で葉酸を十分に摂取していれば、これらの神経管閉鎖障害のリスクを50〜70%減らすことができます。
葉酸の欠如は、神経管閉鎖障害だけではなく、口唇口蓋裂や心臓欠損症などの他の先天性欠損症のリスクを増加させる可能性があるので、葉酸はしっかりと摂取しておく必要があるのではないでしょうか。
ダウン症児の妊娠に効果的だという研究結果も
葉酸は、神経管閉鎖障害などの胎児の先天異常には効果的であることがわかりました。
では、胎児のダウン症を防ぐ効果はあるのでしょうか。
注意してほしいのは、神経管閉鎖障害はダウン症とはまったく別のものであるということです。
ダウン症は遺伝子の染色体異常が原因なので、神経管閉鎖障害とは全く別の疾患です。
基本的には葉酸を摂取したからといって、ダウン症まで防げるという証明や根拠はありません
しかし、一概に全く関係がないと言い切ることもできない事実もあるのです。
2009年に北海道大学の研究で、妊娠前からの葉酸サプリメント服用はこれらの神経管障害児妊娠等の危険を減少させるとともに、ダウン症児妊娠を減少させる可能性がある、という結果が示されました。
また、海外の論文でも、葉酸をよく摂取していた妊婦はそうでない妊婦に比べてダウン症の子供を産むリスクが減ったという報告があります。
このような結果を踏まえると、妊娠前から葉酸を積極的に摂取することは母体にとっても胎児にとっても推奨されることだといえるのではないでしょうか。
葉酸を摂取したからと言って確率がゼロになるわけではない
葉酸を摂取することで、ダウン症児の出産を防ぐことができるといういくつかの研究報告があるのは事実です。
実際に葉酸を摂取することで、なぜダウン症児の妊娠を防ぐ効果があるのかや、実際にどのくらいリスクを減らせるのかなど、詳しいことはまだわかっていません。
また、葉酸を摂取したからといってダウン症のリスクがまったくなくなるというわけではありませんので、注意しておく必要があります。
ダウン症の原因を予防するには?ダウン症になる理由も解説
ここまでで、ダウン症のリスクを葉酸を摂取することで防ぐことができるかもしれない、ということはわかりました。
では、実際にダウン症を予防するためにより具体的かつ効果的な方法はあるのでしょうか。
ここからは、ダウン症になる原因や予防法について詳しく解説していきます。
ダウン症について知っておきたいという人はぜひ参考にしてください。
ダウン症とは?
ダウン症候群(21トリソミー)は、21番目の染色体が通常より1本多くなることで現れる染色体異常症のひとつです。
おもな症状としては、知的障害・身体的発達の遅れなどが挙げられます。
ダウン症という病名は、研究者のジョン・ラングドン・ダウン医師が19世紀後半に報告したことから名付けられました。
染色体とは細胞の中に存在し、DNAなどの遺伝子が詰まっています。
通常、 ヒトの染色体は常染色体1〜22番各2本ずつと、性染色体2本の計46本あります。
この染色体が通常より1本多い染色体異常のことをトリソミーといいます。
ダウン症は21番目の染色体が1本多く、21トリソミーともよばれます。
ダウン症(21トリソミー)は、異常染色体の構造により、標準型、転座型、モザイク型の3種類に分類されます。
標準型ダウン症は、ダウン症全体の95%を占め、父親由来の染色体と、母親由来の染色体の分離が上手くいかずに21番目の染色体が増えてしまうことが原因です。
標準型の場合は、両親の染色体には異常がない場合が多いです。
転座型ダウン症は、ダウン症全体の3%となっており、両親のどちらかの21番目の染色体の一部が他の染色体にくっついてしまっている(転座)状態で起こります。
したがって、転座型ダウン症は、両親のどちらかが転座染色体を持っていることで起こるより遺伝性の強い疾患ということがわかります。
モザイク型は、ダウン症全体の約2%で非常に珍しいタイプです。
正常な細胞と染色体異常がある細胞がモザイク状に入り混じっているのでこの名称となりました。
正常な細胞の割合が多いと、モザイク型ダウン症の場合は症状が現れにくい場合もありえます。
人の染色体は23対46本で、2本で対になっています。分離する際に何らかの原因で分離がうまくいかなかったり、通常では起こらない転座(染色体の一部が他の染色体の特定部位に移動し結合すること)により21番目の染色体が1本余分に増え3本(トリソミー)になることから「21トリソミー」とよばれるのです。
なお、18番トリソミーは95%が自然流産で生存率は1歳以上の生存率は5〜10%、13番トリソミーでは、臨床的に重症で半数が1か月以内で1年未満の生存となります。
それ以外の染色体ではより重要な遺伝情報が含まれることが多いため、染色体異常となった場合ほとんどが早期に流産することが多いです。
ダウン症になる理由
ここまでで、ダウン症について解説してきました。
ここからは、ダウン症になってしまう理由について考察していきます。
まず、21番目の染色体の数が多くなる染色体異常がダウン症の原因です。
では、このダウン症は遺伝性の疾患なのでしょうか。
結論から言えば、ほとんどのダウン症は、遺伝するものではありません。
染色体は父由来が23本、母由来が23本で合わせて46本となります。
この46本の染色体を維持するため、受精前段階の精子と卵子は、通常それぞれ23本ずつの染色体となるはずです。
しかし精子と卵子が23本に分かれる際に、何らかの変異により21番の染色体が2本一緒に精子および卵子に入ってしまうケースがあり、これを「染色体不分離」といいます。
この状態の精子や卵子が受精することで、ダウン症が発生するのです。
つまり、ダウン症は遺伝子の異常によって引き起こる病気です。
上述したように、染色体不分離を原因とする場合は、もし両親の遺伝子に何らかの異常があったとしても子供に遺伝するわけではありません。
これらのことから、ダウン症は精子や卵子といった生殖細胞の成長過程で起こる突然変異といえるのではないでしょうか。
ただし、転座型のダウン症に関しては、父母どちらかの遺伝子が転座染色体を持っている可能性が高いとされるため、遺伝的な疾患と考えられています。
ただし、転座型ダウン症はダウン症全体のわずか3%です。
ほぼ全てのダウン症は、遺伝疾患ではないことがわかります。
遺伝疾患でないとすれば、ダウン症はどのようなことが原因で発症してしまうのでしょうか。
ダウン症の原因の一つとして、高齢出産が影響しているのではないか、と考えられています。
女性の卵子は、生まれた時からすでに卵巣内にあり、月に1回一定の卵子が排卵されます。
卵子は、卵巣の中にある期間が長ければ長いほど老化します。
卵子が老化することで、遺伝子情報を作り出す染色体やDNAなどが弱体化し、細胞分裂をする力も低下してしまいます。
その結果、染色体異常が現れやすくなるということがダウン症児が産まれやすい原因の一つといわれています。
ダウン症児の確率も20歳で1667分の1、30歳で952分の1、35歳で385分の1、40歳で106分の1、45歳で30分の1と、年齢とともに上昇しているのです。
また女性だけではなく男性も40歳を過ぎると染色体異常の精子が増え始めるといわれているため、両親ともに高齢での出産は、ダウン症のリスクを伴うことは間違いないといえるのではないでしょうか。
ダウン症の原因を予防するには?
ダウン症の原因の一つとして、高齢出産が考えられることはすでに述べました。
そのため、できるだけ若い年齢で出産するということが予防策といえるのではないでしょうか。
とはいえ、近年の晩婚化や女性の社会進出機会の増加などもあり、出産が高齢化するのは避けられない情勢であることもまた事実です。
葉酸の摂取が、確実にダウン症の予防になると証明されているわけではありません。
しかし、葉酸の摂取でダウン症児妊娠を減少させる可能性があるという研究結果も存在します。
いずれにせよ、適切な葉酸摂取は胎児の先天性異常を防ぐ効果は認められていることは事実ですので、摂取しておくとよいでしょう。
赤ちゃんの先天異常を減らす以外に葉酸を摂取するメリットはある?
ここまで、葉酸とダウン症の関連性について説明してきました。
葉酸の摂取がダウン症のリスクを軽減すると証明されているわけではありませんが、何かしらの効果は期待できるのではないかということがわかりました。
ダウン症については議論の分かれるところではありますが、葉酸を積極的に摂取することで、神経管閉鎖障害や口唇口蓋裂や心臓欠損症などの他の先天性欠損症のリスクを減らすことは間違いありません。
では赤ちゃんの先天性異常を減らす以外に葉酸を摂取するメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
ここからは、葉酸を摂取するメリットについて深堀りしていきます。
葉酸について知っておきたい人はぜひ参考にしてください。
葉酸を摂取するメリット
葉酸は血液を作る際、大切な役割を果たしています。
葉酸は赤血球の生成に関与している栄養素です。
赤血球は、血液中の酸素を運搬する働きがあります。
そのため、意識的に葉酸を摂取することで、貧血になりにくい体を作ることができます。
また、葉酸は細胞分裂の働きを活性化する働きがあり、脳や神経の細胞分裂にも関わっています。
葉酸をしっかり摂取することで脳や神経の働きを活性化する効果があります。
特に妊娠中はつわりや出産への不安などで精神状態が不安定になりがちですので、脳や神経の働きの質をあげておくとよいでしょう。
葉酸は、細胞分裂や繁殖に重要な役割を持つ核酸(DNA、RNA)の成分となるプリン、ピリミジンの合成を促進する働きがあります。
つまり、葉酸は細胞分裂や増殖に重要な役割を持っているのです。
無事出産した後も、赤ちゃんの成長に葉酸は必要不可欠です。
葉酸が細胞分裂に重要な役割を果たしていることはすでにお伝えしました。
それは赤ちゃんにとっても同じです。
葉酸が不足してしまうと、赤ちゃんの発達異常につながってしまうことも考えられます。
葉酸は赤ちゃんの成長にも関わる重要な栄養素なので、赤ちゃんもしっかり摂取する必要があるのです。
赤ちゃんは成長に必要な栄養補給を基本は母乳に頼っています。
そのため、母乳中に十分な葉酸を含ませるためにも、母親がしっかりと葉酸を摂取しておく必要があるのです。
葉酸が不足するとどうなる?
葉酸が母体や胎児に与えるメリットはかなり大きいことがわかりました。
では、葉酸が不足してしまった場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。
葉酸は赤血球の成熟に必要な栄養素であるため、葉酸欠乏症を発症すると赤血球の数が減ってしまい、貧血を引き起こします。
また、血液中には成熟していない巨赤芽球と呼ばれる細胞が増えるため、葉酸の不足によって引き起こされる貧血を巨赤芽球性貧血と呼びます。
症状としては、息切れ、めまい、ふらつき、動悸、だるさなどの一般的な貧血症状が現れます。
葉酸が不足すると体内ではホモシステインと呼ばれる物質がたまるようになり、気分の落ち込み、認知機能の低下、幻覚・妄想などの精神症状を引き起こすことも知られています。
特に、妊娠中の女性は出産に対する不安や、つわりなどで心身ともにプレッシャーがかかります。
この状態で葉酸が不足することで心身の不調に拍車をかけてしまう可能性が高くなるのです。
また、葉酸は正常な細胞分裂を促す栄養素です。
不足すると舌が荒れ、舌のただれや味覚障害を引き起こします。
また、細胞の新陳代謝がうまく行かないことで、胃壁の荒れなどを引き起こし、胃腸障害などの原因にもなりえるため、注意しなければなりません。
葉酸は細胞分裂を促すため、皮膚の新陳代謝にも関わる栄養素です。
葉酸が不足すると、皮膚の新陳代謝機能も働きにくくなるため、肌荒れなどの皮膚症状が出てきやすくなります。
体内の葉酸が不足してくると、ホモシステインが分解されず、血の中に多くなってしまうことはすでに述べました。
過剰なホモシステインは、神経症状や精神症状を引き起こすだけではありません。
血液中で過剰になったホモシステインが、悪玉コレステロールとくっつき、血液ドロドロの原因となり、それが血管にへばりついて、動脈硬化を引き起こす可能性があります。
葉酸不足による細胞分裂がうまくいかなくなることで、口内炎ができやすくなります。
リウマチの治療薬を飲む際、薬の副作用で葉酸不足になることが指摘されており、その際の症状でよく口内炎が起こることはご存知でしょうか。
そのため、リウマチの患者さんにはよく葉酸も合わせて処方されることが多いです。
葉酸はいつからどのくらい摂取すべき?食事以外の摂取方法は?
ここまでで、葉酸を摂取するメリットや不足することによって引き起こされるリスクについて説明してきました。
葉酸を積極的に摂取すべき理由はお分かりいただけたと思います。
ここからは、葉酸はいつから摂取すべきか、またどのくらい摂取すべきかについて解説します。
葉酸の摂取方法についても説明していますので、葉酸を摂りたいと思った人はぜひ参考にしてください。
葉酸を摂取すべき期間
葉酸は不足すると貧血などを引き起こすため、普段から摂取すべきです。
ただし、普段の必要量であれば食事からでも十分可能な量です。
妊活中や妊娠期、授乳期は意識的に摂取量を増やす必要があります。
そのため、パートナーと話し合い妊娠に向けて活動していくときに葉酸サプリで摂取を始めるとよいでしょう。
また先に述べましたが、赤ちゃんにも葉酸は必要です。
とはいえ、赤ちゃんは直接葉酸を摂取できるわけではないので、母乳中に葉酸を含ませることで摂取させる方法が現実的です。
そのため、授乳期も葉酸は意識的に摂取しておくとよいでしょう。
妊活期から授乳が終わるまでを目安にしておくとよいのではないでしょうか。
葉酸の適切な摂取量
1日の葉酸摂取の推奨量や必要量、上限量をまとめました。
状況 | 年齢 | 葉酸の1日推奨 摂取量 | 葉酸の推定平均 必要量 | 葉酸の1日摂取 上限量 |
成人男女(通常時) | 18~29歳 | 240μg | 200μg | 900μg |
成人男女(通常時) | 30~49歳 | 240μg | 200μg | 1,000μg |
成人男女(通常時) | 50~64歳 | 240μg | 200μg | 1,000μg |
成人男女(通常時) | 65~74歳 | 240μg | 200μg | 900μg |
妊活中 | 240μg+400μg | – | – | |
妊娠初期 | 240μg+400μg | – | – | |
妊娠中期~後期 | 240μg+480μg | – | – | |
授乳期 | 240μg+340μg | – | – |
上の表を見てわかるように、妊活中や妊娠期間中、授乳期は葉酸を意識的に摂取する必要があります。
そのため、効果的に葉酸を摂取できるサプリメントを上手に使う必要があるのです。
例えば、妊娠中は葉酸を240μg+400μg必要です。
葉酸が多く含まれる食事
葉酸を摂取する方法として、食事から摂る方法と葉酸サプリを服用する方法が考えられます。
では、葉酸が多く含まれる食事はどのようなものがあるでしょうか。
普段の食材で摂取できる葉酸の量について表にしました。
食品名 | 目安量 | 分量(g) | 葉酸 (μg) | 食品名 | 目安量 | 分量(g) | 葉酸 (μg) | |
からし菜 | 1本 | 50 | 155 | いちご | 中5粒 | 75 | 68 | |
みずかけ菜 | 60 | 144 | パパイヤ(完熟) | 1/2個 | 130 | 57 | ||
なば菜 | 2本 | 40 | 136 | オレンジ (ネーブル) | 中1個 | 130 | 44 | |
ほうれん草 | 2株 | 60 | 126 | 夏みかん | 大1個 | 160 | 40 | |
グリーンアスパラガス | 3本 | 60 | 114 | |||||
しゅんぎく | 3株 | 60 | 114 | さつまいも | 中1/2本 | 100 | 49 | |
ブロッコリー | 2房 | 50 | 105 | |||||
たか菜 | 2株 | 50 | 90 | ささげ(乾) | 1/5カップ | 30 | 90 | |
日本かぼちゃ | 4cm 角2切 | 60 | 48 | 大豆(乾) | 1/5カップ | 26 | 60 | |
チンゲン菜 | 1株 | 70 | 46 | そらまめ(乾) | 1/5カップ | 22 | 57 | |
調製豆乳 | 1カップ | 200 | 62 | |||||
ぜんまい | 5本 | 50 | 105 | 納豆 | 中1パック | 50 | 60 | |
わらび | 5本 | 75 | 98 | |||||
ふきのとう | 2個 | 40 | 64 | くり | 大3個 | 60 | 44 | |
カリフラワー | 3房 | 60 | 56 | |||||
大豆もやし | 1カップ | 60 | 51 | 鶏レバー※ | 50 | 650 | ||
白菜 | 中葉1枚 | 80 | 49 | 牛レバー※ | 50 | 500 | ||
くわい | 大1個 | 30 | 42 | 豚レバー※ | 50 | 405 | ||
パッションフルーツ (果汁) | 1カップ | 200 | 172 | あまのり(焼) | 1袋(5枚入) | 2 | 38 | |
アボカド | 1/2個 | 100 | 84 | |||||
マンゴー | 1/2個 | 90 | 76 | ※各種レバーについてはビタミンA過剰の心配があるので注意が必要である。 | ||||
五訂日本食品標準成分表(科学技術庁資源調査会編)を用い作成 |
葉酸を含む食材はいろいろありますが、妊娠時は葉酸は240μg+400μgで計640μg必要になります。
これを全て食事で取ることは難しいですし、そもそもつわり等がひどく食欲がない場合などはより大変になるのではないでしょうか。
また、レバー類は葉酸以外にビタミンAを多く含みます。
ビタミンAの過剰摂取は胎児奇形の危険性がありますので、妊娠初期は特にレバー類の摂取は控えるようにしましょう。
食事以外の葉酸摂取方法は?サプリメントの活用がおすすめ!
普段の食事で妊娠時に必要な葉酸すべてを摂取するのは難しいことがわかりました。
では、葉酸はどのように補えばよいのでしょうか。
ここで注目したいのが、葉酸サプリです。
葉酸サプリは、妊娠時に必要な葉酸を補給できるように設計されていますので普段の食事と合わせて取るとよいのではないでしょうか。
葉酸サプリには、葉酸を摂取する以外にもいろいろなメリットがあります。
葉酸を適切な量摂取できる
葉酸には大きく分けて、天然葉酸と合成葉酸の2種類の葉酸があります。
天然葉酸とは、一般的に⾷材に含まれる葉酸のことを指し、「ポリグルタミン酸型葉酸」とも呼ばれています。
⾷材に含まれる葉酸のため、「⾷事性葉酸」と呼ばれており、調理などによる熱で分解されやすい(葉酸は⽔溶性ビタミン)という特徴もあります。
一方で、合成葉酸とは主にサプリメントなどに含まれている葉酸のことで、「モノグルタミン酸型葉酸」と呼ばれています。
分解されやすい天然葉酸と違って、合成葉酸は体内に取り込みやすく、摂取した量の約85%を体の中で利用できるといわれています。
葉酸サプリの葉酸は、基本的に全て合成葉酸なので、効率的に体内に取り込まれるのです。
また、葉酸サプリは体に必要な葉酸が含まれているものが多いので、必要量を手軽に摂取することができるのも魅力です。
葉酸以外の栄養素も摂れる
葉酸サプリは妊活中や妊娠中に必要な栄養素を摂ることができます。
例えば、人気の葉酸サプリ、「ミタス(mitas)葉酸サプリ」に含まれている成分量と、厚生労働省が定める妊娠時の推奨量、そして30代女性の平均摂取量について表にしてみました。
成分名 | ミタス葉酸サプリ | 推奨量 (厚生労働省 目安) | 30代女性 平均 (食事摂取量) |
葉酸 | 400μg | 400μg | 253.1μg |
ヘム鉄 | 5mg | 11.0mg | 6.8mg |
ビタミンB1 | 1.4mg | 1.3mg | 0.8mg |
ビタミンB2 | 1.5mg | 1.5mg | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.6mg | 1.4mg | 0.9mg |
ビタミンB12 | 2.9μg | 2.8μg | 4.1μg |
ビタミンC | 50mg | 110.0mg | 63.2mg |
ビタミンD | 25μg | 7.0μg | 5.6μg |
ビタミンE | 1.0mg | 6.5mg | 6.2mg |
カルシウム | 50mg | 650.0mg | 436.4mg |
マグネシウム | 144mg | 330.0mg | 201.7mg |
亜鉛 | 3mg | 10.0mg | 7.4mg |
パントテン酸 | 2.2mg | 5.0mg | 4.9mg |
ナイアシン | 1mg | 12.0mg | 11.4mg |
乳酸菌 | 16.5mg | – | – |
普段の食事と合わせてミタス葉酸サプリを摂取することで、妊活期及び妊娠中の女性に推奨されている栄養素を100%以上摂取することができることがわかります。
他の人気葉酸サプリでも、葉酸以外に必要な栄養素をしっかりと補給することができるため、葉酸サプリは妊活や妊娠中の女性におすすめです。
医師が監修しているなど、安全面に配慮されている
ミタス葉酸サプリに限らず、マカナ(makana)やベルタ(BELTA)葉酸サプリなどの人気のある葉酸サプリは、安全性もしっかりしています。
人気のある葉酸サプリは、着色料、香料発色剤、香料、保存料、pH調整剤、膨張剤、漂白剤、甘味料、防かび剤、苦味料、増粘安定剤、光沢剤、酸味料などの添加物を使わず、無味無臭なので、つわりなどで食事にデリケートになりやすい妊娠中でも服用しやすいように工夫されています。
また、多くの人気葉酸サプリは、「GMP認定工場」の承認を受けた国内工場で生産されています。
GMPとは、、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、 出荷まで全ての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。
GMPは、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づいて、民間の団体である第三者機関による審査・査察を経て認定されます。
厚生労働省の策定したガイドラインを順守する必要があり、認定は第三者機関により客観的に行われるため、GMP認定は品質の信頼性を担保してくれるのです。
このように、多くの葉酸サプリは安全性にこだわって作られているので、安心して継続できるサプリではないでしょうか。
また、多くの葉酸サプリは、実際に産婦人科医などの専門家が監修しているので安心して服用することができるのです。
男性にも葉酸サプリは効果がある
葉酸サプリは、妊活中の女性だけでなく男性にもおすすめです。
葉酸サプリメントは妊娠する女性が摂取するものというイメージが強いですが、本来妊活は夫婦で一緒に取り組むものではないでしょうか。
従来、不妊治療は女性側だけにフォーカスされていましたが、近年では男性に原因があることも多くなっています。
妊活を一緒に頑張るためにも男性もサプリメントをしっかり摂取して、栄養補給をすることが大切です。
成人男性の多くは野菜不足といわれています。
野菜不足は、体に必要な栄養素の不足を引き起こすため、妊活に必要なコンディショニングがうまくいきません。
その点、葉酸サプリは葉酸だけでなく体に必要なビタミンやミネラルもふんだんに盛り込まれているため、男性にとってもおすすめのサプリメントといえるのではないでしょうか。
例えば、人気の葉酸サプリシリーズ「ミタス」には妊活中の男性向けのサプリ「ミタス(mitas)for men」も存在します。
「ミタス(mitas)for men」は、男性妊活で不足しがちな亜鉛や ビタミン C・E、コエンザイムQ10 が配合されています。
また、亜鉛やマカ、トンカットアリなどの精活力のサポート成分もしっかりと配合されていますので、日々の妊活にも良い影響を及ぼすのではないでしょうか。
サプリはそもそも葉酸を摂取しやすい
葉酸サプリを選ぶうえで、飲みやすさは非常に重要です。
妊娠中はつわりが起こりやすく、匂いにも敏感になり、食欲がなくなることもあるでしょう。
葉酸サプリは毎日飲み続けることができるように無味無臭のものが多く、形状は飲みやすいように工夫されています。
とはいえ、妊娠中やつわりの時期は感覚が敏感になり、錠剤の匂いや大きさ、数の多さで吐き気を催す場合も考えておくべきです。
商品の公式ページ以外に、実際にサプリメントを利用している人の口コミを参考にするのもよいのではないでしょうか。
また、多くの葉酸サプリメーカーでは、初回は価格を低く設定していることが多いです。
まずは初回キャンペーンで購入し、実際に自分に合う葉酸サプリを試してみてもよいのではないでしょうか。
葉酸を摂り過ぎるとリスクがある?
ここまでは、葉酸の摂取方法について確認し、普段の食事だけでなく、葉酸サプリも活用すべきだということを説明してきました。
では、逆に葉酸を摂取しすぎるとよくないのでしょうか。
ここからは、葉酸の過剰摂取について解説していきます。
妊活中や妊娠中の方はもちろん、そうでない人も葉酸について知っておく必要があります。
ぜひ参考にしてください。
通常の食べ物で、葉酸の過剰摂取による健康障害があったという報告はありません。
また葉酸自体に毒性はなく、過剰摂取しても体外に排泄されるため、食品から摂る分には心配はないといわれています。
ただし、サプリメントなどで過剰に摂取することには注意が必要となります。
すでに葉酸必要量のところで表にして説明しましたが、葉酸は1日に摂取する「上限量」が決められています。
男女ともに1日の摂取量は18~29歳なら900µg、30歳~49歳なら1,000µgを超えないことが推奨されています。
では、上限量を超えて過剰に摂取してしまうと、どうなってしまうのでしょうか。
葉酸の過剰症としては、発熱・じんましん・かゆみ・不眠症・下痢や吐き気などの消化器系の症状などが報告されています。
亜鉛の吸収阻害を起こす可能性があったり、ビタミンB12欠乏による神経障害の発見が遅れてしまう恐れもあります。
このように、命に関わるような重大なものはとくにありませんが、日常的な過剰摂取は避けた方がよいでしょう。
妊娠中の方はさらに、過剰摂取による副作用のリスクがあるため注意が必要です。
妊娠中期以降にも葉酸を上限量を越えて1日に1000µg以上摂取し続けていると、赤ちゃんが生まれた後、将来小児ぜんそくなどのアレルギー症状を起こすリスクが高まるという報告があります。
科学的にエビデンスがはっきりと示されているわけではありませんが、過剰な葉酸摂取が原因かもしれないと考えられている以上、過度の葉酸摂取は控えるべきです。
規定量のみを摂取するようにしておきましょう。
自分に適した葉酸サプリの選び方は?葉酸以外の成分にも注目!
ここまでで、葉酸を効率よく摂取するためには葉酸サプリの服用が効果的であることがわかりました。
とはいえ、葉酸サプリは多くのメーカーが販売しています。
どのメーカーのサプリを選べばよいのでしょうか。
ここからは、自分に適した葉酸サプリの選び方を紹介します。
葉酸サプリに興味はあるけど、どのサプリを選べばよいかわからない、という人はぜひ参考にしてください。
葉酸の含有量をチェックする
葉酸サプリの主成分は、いうまでもなく葉酸です。
葉酸サプリを選ぶうえで、葉酸の含有量にはぜひ注目してください。
葉酸以外の成分をチェックする
妊活や妊娠中に必要な栄養素は葉酸だけではありません。
鉄分・ビタミンB群・ビタミンC・亜鉛・カルシウムなど色々な栄養素が必要となります。
これらの栄養素は、普段は食事で摂取することが可能ですが、妊娠中はつわりなどによる食欲低下が起こってしまうかもしれません。
そのため、葉酸だけでなく、妊娠中に必要な栄養素もサプリで補うことができれば安心です。
葉酸サプリを選ぶ際は、葉酸以外に摂取できる栄養素も確認しておくとよいでしょう。
飲みやすい形状かどうか確認する
葉酸サプリを選ぶうえで、飲みやすさは非常に重要です。
妊娠中はつわりが起こりやすく、食欲も低下します。
体調によっては、サプリメントの大きさが気になって服用できない場合もあるでしょう。
どんなに良いサプリメントであっても、飲むことができなければ意味がありません。
葉酸サプリに限らず、サプリメントを選ぶ際は味や形状についても気を付けておく必要があります。
葉酸サプリは毎日飲み続けなければなりません。
そのため、味や形状は飲みやすい方がいいでしょう。
妊娠中やつわりの時期は感覚が敏感になり、錠剤の匂いや大きさ、数の多さで吐き気を催す場合も考えておくべきです。
続けやすい価格帯かどうか確認する
葉酸サプリを選ぶうえで、サプリメントの値段も選ぶポイントの1つではないでしょうか。
葉酸サプリは妊活中、妊娠中は続けなければ意味がありません。
あまりにサプリの値段が高いと、家計を圧迫してしまい続けられなくなるかもしれません。
また高額だからといって、必ずしもそれがいい葉酸サプリであるとは限りません。
逆に安すぎる葉酸サプリは、葉酸の用量が極端に少なかったり、製造にあたって認可を受けていない可能性もあります。
「GMP認定工場」の承認を受けていない葉酸サプリは品質が保証されていませんので、あまりお勧めできません。
非認定工場で生産されるサプリメントは、作成途中で有害物質や汚染物質が混入する場合があります。
GMP認定工場ではこのような製造工程での不手際は認められず、厳密な品質管理のもとで製造されます。
一般的に1日あたり150円以下の値段が、コスパもよく続けることのできる目安といえるのではないでしょうか。
葉酸サプリを選ぶ際は、1日150円以内のコストかつGMP認定されているものを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は葉酸を摂ることでダウン症を防げるかどうかについて解説しました。
葉酸を摂ることでダウン症を確実に防げるわけではありませんが。ダウン症のリスクが低下したとされる研究結果も報告されています。
葉酸には、神経管閉鎖障害などの胎児の先天性異常を防ぐ効果は実証されていますし、胎児の先天性異常を防ぐにも多くのメリットもありますので、ぜひ摂取するようにしておきましょう。
葉酸は食事だけで必要量を摂取することは難しいので、葉酸サプリも活用して必要量を摂取するようにしてください。
ただし、上限量を超えた葉酸の過剰摂取はリスクになるので注意してください。
葉酸サプリは毎日服用する必要があります。
自分にあったサプリを見つけて服用を続けるようにしてください。